杉山 正明
京都大学複合原子力科学研究所 教授
1994年九州大学理学部助手、2004年京都大学原子炉実験所助教授を経て、2011年より現職。
研究分野
粒子線を用いたナノスケールのタンパク質複合体構造解析
マルチドメインタンパク質の溶液構造
タンパク質は特異的な立体構造を持ち機能を発現していると考えられている。この立体構造は単結晶X線構造解析法により詳細に解明されるが、実際のタンパク質は結晶状態ではなく細胞中で溶解して存在していることが多く、その構造は結晶構造と異なっていると考えられる。 我々は溶液中のタンパク質の構造を中性子小角散乱法を用いて解明することを目指している。水晶体を構成するタンパク質の1つβB2クリスタリンは、図にあるように2つのドメインを持っている。結晶構造解析の結果では、44Å離れているが、この構造モデルでは溶液中のβB2クリスタリンの中性子小角散乱曲線は再現できない。そこで、RMC法を用いた解析を行った結果、2つのドメインは32Åまで接近しており、ほとんど接している事が判明した。
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京都大学 複合原子力科学研究所 粒子線物性学研究分野